モラハラ夫に苦しめられてる女性の相談に乗っていた。
日常のモラハラはひどいのだが、いざ彼女が「別れたい」と切り出すと、最後は「もう俺死ぬ」とか言い出したり泣き出したりする。
心根が優しい彼女は、それで何度も折れていた。
「そんなこと言わないで」「じゃあどうして私をあんなふうに扱ったの?」となる。

でも後で折れたことを後悔する。
また翌日にはモラハラが始まるからだ。
繰り返すどころか、ひどくなる。
別れてと言えば、「こんなにお前を愛してるのに俺を捨てるのか」
しまいには泣き出したりする。
「もう俺に死ねってことだろ。お前にまで見捨てられるなんて」
「そんなこと言ってないじゃない!」
彼女は疲弊していた。

私は真実を話す。
「モラハラは立場が悪くなると被害者ぶるのも特徴だよ。いつもはオラオラ系で強いから『こんな強気な人が泣き出すなんて、そんなに私を愛してるの?』て思うだろうけど違うの。
最後まで相手が悪いと思い込んでるからなの。泣くのも常套手段だよ。彼らはなぜ泣いてると思う?」

「….何ででしょう?でも芝居ではなくポロポロと本当に泣いてるんです、時にはワアワア号泣です。それで負けちゃうんです」

「そりゃそうだよ、その涙は本物だもん。ただ、彼らが泣いてる理由はひとつ。
自分のために泣いてるの。
『愛されない俺かわいそう』て」

彼女はハッとした。

「そうか…そうですよね。反省したり私に悪かったと後悔してるんじゃ…ないんですよね」

「うん。まったくそんなこと考えてないの。『こんなに俺頑張ってるのに』『わかってもらえない俺かわいそう』てなるから、めっちゃ泣くのよ。
悪人はいつも自分のためにだけ泣くのよ、遠い昔から」

「さゆりさん、私次こそ負けません!絶対幸せになります。離婚かなったら報告しますね!離婚届はダウンロードしてるんです!」

「うん、ちなみに予備も準備しといてね。やつらすぐ破るからw」

「なるほどw」

どうかどうか、私が関わった女の子たちがみんな幸せになりますように。

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